英語を勉強してきたのに、全然話せるようにならない。 やっぱり日本人が英語を勝負するには、帰国子女だったり、長い間海外に住んだりした人じゃないと無理なのか・・・
今回は、そんな悩みを抱える人にちょっと視点を変えてくれる「ビジネス現場で即効で使える非ネイティブエリート最強英語フレーズ550」という本を紹介したいと思います。
この本の著者:岡田兵吾(@phoenix_hugo)さんは、大学時代に海外留学を経験し、長い間外資系コンサルで働いたこともあるそうです。
しかし、そんな著者があるとき初めて海外(シンガポール)に転職したとき、周りが外国人だけという環境の中で「全く英語が話せない」「皆の会話に入れない」という地獄を経験したそうです。
「その後、1年2ヶ月売上ゼロ」という強烈な経験を経たある時、世界で結果を出す「非ネイティブ」たちが心がけているある共通点に気づいたそうです。
その後は、外国人の中に日本人が一人だけという環境でも、かつては会議で何も発言できなかったのが嘘のように活躍し続けることがてできていると言います。
この「ビジネス現場で即効で使える非ネイティブエリート最強英語フレーズ550」では、そんな著者が厳選した、非ネイティブである日本人にとって非常に役に立つフレーズがたくさん紹介されています。
「ビジネス現場で即効で使える非ネイティブエリート最強英語フレーズ550」|基本構成
「ビジネス現場で即効で使える非ネイティブエリート最強英語フレーズ550」ではまず、1〜2章で非ネイティブとしての心構えについて書かれています。
- 非ネイティブの英語こそ世界標準
- 発音・文法が完璧でなくても伝わる
- 評価されるのは「美しい発音」より「丁寧な話し方」
など、世界の非ネイティブが英語を話す際に共通して心がけている、心構えについて書かれています。
そして3〜4章では、非ネイティブにとって武器となる、厳選フレーズを紹介しています。
このように、 キラーフレーズと会話の例、背景の説明。 そしてその他に使える派生フレーズという構成です↓
厳選フレーズは
- 断られるのが苦手な人の誘い方・お願いの仕方
- 空気のような存在にならずに会議での存在感を高める方法
- 新しい企画を成功させるための言い回し
- 聞き取れなかったときの対処法
- 「わからない」と言ったら自分が損をする時の対処法
- 言いにくいことを言うときの対処法
- 話を聞いてもらえない時の対処法
- 日本人なら知っておきたい否定・拒否する表現方法
など、ビジネスシーンを切り抜けるのに役立つ、非常に便利で心強いものが17のトピックで、計550フレーズ紹介されています。
英語のコミュニケーションに必要なのは「敬意」と「気遣い」
1〜2章の「心構え」の部分で、中でも目からウロコだったのは、この部分。
英語に対して、フレンドリーに大げさに話す言語というイメージを持つ人は多いと思います。日本語とは異なり、繊細さに欠けると思い込んでいる人も多いのではないでしょうか。
外国人たちと仕事をして実感するのは、英語にも日本語と変わらず、たくさんの敬語・丁寧語があるということです。グローバルな環境で働くうえで、敬語や丁寧語をうまく使いこなせないのは死活問題です。
つまり、英語の世界では非ネイティブであっても、相手を慮った丁寧なコミュニケーションができる人が評価されるというのです。
当然と言えば当然なのですが、私たちが英語を学ぶとき、文法や発音の正しさばかりを追い求めがちではないでしょうか?
しかし、大事なのは文法や発音の正しさよりも、敬意と気遣い、つまりはもっと根本的な「コミュニケーション」の部分ということなのです。
わからないなら正しく「わからない」と伝えればいい、という逆転の発想
そして僕が何よりこの本の良いと思ったところは、4章で紹介されている
泣き寝入りをしなくて済む40のキーフレーズ
です。
誰だって英語を学ぶからには、ネイティブが使う表現や発音を身に付けたり、文法や聞き取りの「間違いを無くしたい」と思うに違いありませんし、一般的な英会話のテキストはそれを目指して作られていることが多いと思います。
しかしこの本は、わからない時、困った時に、相手を不快にさせずにそれを伝える方法にフォーカスし、コンパクトにまとめてくれています。
要は、非ネイティブとして「完璧をめざす」のではなく、トラブルを前提としてそれを切り抜ける方法を解説してくれているワケですね。逆転の発想です。
聞き取れない時の対処法
僕もふだん仕事をしていて、スピーキングはだいぶ上達した実感がありますが、聴く方、特にネイティブの早口な英語は聴き取れないことがまだまだ多いです。
この本では日本人がよく使いがちな
が失礼に当たることに加え、
などの、使えるフレーズを紹介しています。
もちろん僕もこのくらいのフレーズは知っています。
ですがこの本ではさらに
世界の非ネイティブは知っている単語で話して、聞き取れなければ何度も聞き返す
と書かれています。
フレーズの紹介だけでなく、ここまで潔く「聞き取れないのなら、ゆっくりハッキリと話してもらうよう頼めば良い」と書いてくれると、「あーそれでいいんだ」と勇気づけられます。
また他にも、
いつも「英語ができなくてすみません」とこちらの非ばかりを認める必要はない。実際には本当に単に相手の説明が悪い場合もある
など、当たり前といえば当たり前なのですが、英語が未熟なせいで過度に卑屈になってしまいがちな日本人にとってはありがたいアドバイスに溢れています。
まとめ
英語はあくまでコミュニケーションのためのツールです。
ひたすら完璧な理解ばかりをめざすのではなく、わからない時、トラブルに見舞われた時に、それを相手に正しく、不快感を与えないように伝えるというのも、またコミュニケーションではないでしょうか。
それは決して「逃げ」ではなく、第二言語を学ぶうえで当然身につけるべき必須のスキルだと、私は感じました。
これまで順調に英語学習が進んでいる人も、思うように英語が上達していない人も、ちょっと視点を変えるつもりで、こちらの本を読んでみることをオススメします。
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