市販のリスニング教材で鍛えたはずなのに、いざ外国人と英語で話したら訛りが強くてぜんぜん聞き取れなかった・・・!
↑こんな経験をしたことはありませんか?
日本の一般的なリスニング教材はアメリカアクセントの教材がほとんどです。
しかし!実は世界の英語話者の80%は非ネイティブだと言われており、私たちが日本で触れることの多いアメリカ英語のアクセントはむしろ圧倒的マイノリティなのです。
というわけでこの記事では、そんな聞き慣れたアメリカ英語だけではなく、オーストラリアやアジア、ヨーロッパなどの非アメリカ、非ネイティブ英語のリスニング練習ができる「生英語で聞く外国人の本音クロストーク」を紹介します!
「生英語で聞く外国人の本音クロストーク」|基本構成
この本では、日本に住んでいる、10の国と地域の外国人が英語で話している音声と、そのトランスクリプト(文字起こし)・日本語訳で構成されています。
会話のトピックは全部で20あり、すべて日本にまつわるもの(日常、ポップカルチャー、政治経済など)ばかりで、馴染みのある話題を台本なしの生の英語で聴くことができます。
なお1つのトピックにつき、約1分の会話が3トラック収録されており、音声の合計は3トラック×20トピック=約60分のボリュームです。
また、覚えておきたい表現はこのように脚注まとめられています↓
なお、巻頭にはそれぞれの地域の訛りの特徴がまとめられており、また、各自がどのエピソードで登場しているかも明記されています↓
このため例えば「オーストラリア人の英語を聞き込みたい」思ったら、オーストラリア 人が出演しているエピソードだけをまとめて学習することも出来ます。
なお、CDが付属していますが、音声はアルクの公式アプリ「ALCO」でダウンロードして視聴可能です(ALCOは速度調整や秒送り・秒戻しができて便利です)。
収録されているのはすべて台本なしのリアルトーク!
この本のポイントとしては、まず台本が無いという点だと思います。
一般的なリスニングの教材・テキストでは、外国人が台本を読み上げたり会話する形式が殆どです。
それに対しこの本では、実際の外国人同士のスモールトークをそのまま録音して、それを文字起こししているのです。
会議やビジネスといったかしこまった場ではなく、本当に雑談というような雰囲気の会話です。
そのため、普段の会話に特有の言い回しや、台本読みではあり得ない
- 言い間違い
- 言い淀み
などがそのまま含まれています。
言いかけてやめたり、変なところで区切ったり、一回言ったことを別の言葉で言い直したり。
そういうトリッキーな(というか自然な)展開は、台本通りの音声やニュース音声などではあり得ませんよね?
これにより、とても自然な会話を題材にリスニングのトレーニングが出来るのです。
オーストラリアからシンガポールまで|10の国と地域の訛り
そして何よりの特徴は、10の国と地域の訛り、独特のアクセントのある英語をそのまま収録している点です。
冒頭でも書いた通り、日本のリスニング教材は殆どがアメリカ英語を題材にしていますが、世界の英語人口15億人のうち、アメリカ人は2.5億人、ほんの2割足らずです。
実際、僕もこれまで仕事をした外国人はアジアやヨーロッパなど、圧倒的に非アメリカ、非ネイティブの方が多いです。
繰り返しになりますが、世界の英語人口のうち、80%は私たち日本人のように非ネイティブです。
よく、「ネイティブの正しい発音を身につけたい」と言っているのを聞きますが、ネイティブの方が圧倒的にマイノリティの中、「正しい発音」とはいったい何なのか?と思ってしまいます。
その点、この本では世界中のいろんな地域の訛りをそのまま収録していますので、より自然な、実際のシーンに近い英会話を題材にリスニングの学習をすることが出来ます。
効果的な学習法
僕が考えるこの本の効果的な使い方としては、次のような感じです。
- まずはトランスクリプトも日本語も何も見ず、音声だけを何度も聞いてひたすらディクテーション(書き取り)しましょう。
- もうこれ以上聞き取れない、というところまで来たら日本語訳にザッと目を通して、話の内容が解った上でもう一度聞いてみます。
- それでもどうしても聞き取れなかった部分は、英語のトランスクリプトをみて、何と言っていたのが答え合わせします。
この時、「なぜ聞き取れなかったのか」を徹底的に考えるようにしましょう。
- そもそも知らない語彙なのか
- 知っているけど早すぎて聞き取れないのか
- 知っているけど訛りによって知らない単語に聞こえたのか
- 発音が弱すぎ(脱落して)て聞き取れないのか
このように聞き取れなかった理由を徹底的に考えて、対策します。
知らなかった語彙はここで覚えてしまいましょう。
また、訛りだったり脱落する音の特徴も、覚えて自分のものにしてしまいましょう。
ただし個人的には、何も見る前に英語を通して聞いて、全体の意味がすんなり解れば、そのエピソードあまり細部まで気にしなくてもいいのかなと思います。
通して聞いてみて「何の話してるかサッパリわからん…」という時には、なぜ理解できなかったのかを徹底的に考えるようにしています。
まとめ|あらゆる地域の訛りに対応できる!
というわけで、「生英語で聞く外国人の本音クロストーク」の紹介でした。
この本のトレーニングをやってみて、また僕自身これまでいろんな国の人と英語で話してきて思ったのは、
訛りは案外すぐ慣れる
ということです。
例えば、昔ホームステイで受け入れたオーストラリア人はaの音を「アイ」と発音していました。
Rainは「ライン」、stationは「スタイション」といった具合です。
これも初めての時は戸惑いますが、2、3日一緒にいてずっと話しているとすぐに慣れてきます。
ちょうど関西人と一緒にいると関西弁がうつってくるのに似ていますね。
いっぽう、仕事でシンガポールやアジアの人と電話で話す機会がありますが、そこまで頻度が高くないため、なかなか慣れません。
しかも電話なので余計にわかりづらいのです・・・。
そんな時に各地のアクセントを集中的に予習できるこの本はとても役立ちました。
というわけで、いろんな訛り・アクセントに慣れたい、台本なしの自然な英会話を聞き取れるようになりたい、という人にはこちらの本をぜひ手に取ってみてください!
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